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風のつぶやき! 南摩ダム・日帰り温泉などの情報

風の吹くまま、気の向くままに!

太々神楽(3)

午前十時、”ちんち様”の山裾にある鳥居の前でみっちゃんが待っていた。
桜の木の下の2軒の出店には、子供を負ぶった老婦人や子供たちが群り”ぶっかき飴”や”酢イカ”、水あめ”などを頬張っている。
「みっちゃん、かあちゃん銭くれたんけ!」
「うん、かあちゃんにせがんで幾らか貰ってきた。」
「とっちゃんはどうだった。」
「俺も、かあちゃんから貰ってきた。」
「どうする、とっちゃんここで何か買ってくけ。」
「後でいいんじゃねえか、あんまりめぼしい物ねえから上へ行ってからかあべ。」



私とみっちゃんは、二軒の出店を横目で見ながら真新しい注連縄の掛かった鳥居をくぐり抜け神社へ続く石段を登って行った。
数十段ある石段を登り切ると、杉林の中に狭い山道が山頂へと続いている。
途中では登り疲れて”地べた”に腰を下ろし、キセルをふかしながら休んでいる人もいる。
私たちは早足でそれらを追い越し、もう始まっているであろう神社の神楽殿へと急いで行った。
山頂には太い杉の大木が鬱蒼としており、昼間でも薄暗い。
東護神社は、その杉の大木の中に本殿が一棟建っているだけである。
ここには神楽殿が無く、本殿の拝殿(間口三間、奥行き二間)で太々神楽を奉納していた。
祭りのときは拝殿の三方の雨戸を全部外し、本殿の左側に外した雨戸で周りを囲み、莚(むしろ)を敷いて楽屋として使っていた。
楽屋の中では、お祭り当番の人達が白い割烹着を着て持ち寄った赤飯や煮つけ物などを舞人に振舞っている。
舞人たちは車座になり、自分の出番が来るまで食事をしたりしているが、殆どの人たちは一升瓶を傾けながら茶わん酒を呷っている。
すでに、かなり酔いのまわっている人もいて中は賑やかだった。
外に造られた急拵えのカマドでは、煮付けの鍋が掛けられ美味そうな匂いを漂わせている。

拝殿は、四方を幣の下がった細いしめ縄で囲み、そこを神聖な場所としていた。
拝殿の左側には、太鼓や笛等の囃子方が数人、衣装を調えて正座している。
正面の奥には大きな御幣が飾られ、その脇に正装したした神主が固い面持ちで座っている。
左側の楽屋の入り口には、粗末な緞帳が掛けられそこから舞人たちが出入りしていた。
そして、拝殿中央の神聖な場所で太々神楽が演じられるのである。


次回に続く。
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  1. 2006/04/06(木) 22:17:14|
  2. 徒然
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