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太々神楽(4)

”トッピィ~ヒャラリィ~、トッピィヒャロ””シャーン、シャシャ、シャーン””ドーン、ドド、ドーン”
拝殿では太々神楽が既に始まっていた。
神々を崇める笛や太鼓、鈴の音色が入り乱れ、鎮守の杜はその賑わいにすっぽりと包み込まれていた。
拝殿の中央では、白い衣装に羽織をつけ赤い袴、頭に冠を載せ女の面を付けた”第十座の”八幡巫女の舞”が演じられていた。
「とっちゃん、いまんとこ”だいだい”つまんねから何か買ってくっぺよ。」
「ほだな。」と言って、境内の周りに出ている出店の方に行ってみた。
テントを張った出店は間口6尺程で、セルロイドのお面や風車を売る店、焼きイカや今川焼きを売る店、ブリキのおもちゃなどを売る店や綿菓子を売る店など七軒ほど出ていた。
ここでも群っているのは子供だけ、薄汚れた黒い学生服に学帽を被り、尻に継ぎ当てしたよれよれのズボンを穿きしゃがんで品定めをしている者。
おかっぱ頭に赤い綿入れ半纏、しもやけた真っ赤な手をした女の子。セーターの上に黒い絣の綿入れ半纏を着て、天気が良いのに何故か長靴を履いている男の子。
どの子を見ても鼻の下は埃で薄汚れている。半纏の袖口で鼻を拭くため、袖口は鼻水が固まってかぺかぺしている。
履物も下駄、草履、長靴、短靴などいろいろで靴下など履いていない。
「おじちゃん、これいくらだい!」
「10円だ!」
「これは!」
「5円!」
「こらっ!きたねえ手でそっちこっちさわんじゃねえ!」
「かわねんだら、あっち行ってろ!」
子供たちはそんな事にはお構いなし、親からもらった少ない小遣いの中で品定めに夢中である。
「みっちゃん、何か買ったけ。」
「まだ、買ってねんだ。」
「ほんじゃ、二人で水飴でも買って”だいだい”見にいくべ。」
「あとは、終わってからゆっくり買あべよ。」
舞台の上では、ひょっとこの面を付けて滑稽に演じる第五座の”安河原道化の舞”を演じていた。


太々神楽の演目は、第一座の”総礼の舞”に始まって第三十六座結びの”大黒の舞”で締めくくられる。
上演時間は一座で約10分位、長いものでも20分程度であり三十六座で約六時間程の神楽である。
神楽の種類は”神田流岩戸神楽”と言われ、昭和32年に栃木県の重要文化財に指定され、NHKから収録取材に来た事もあった。
神楽を伝承するのは部落住民の義務であって、特に長男を継承者としていた。
そして、この神楽は”総礼の舞”に始まり”岩戸の舞”を中心として”大黒の舞”をもつて終了とした。
ただ、この神楽は如何なる事情があろうとも”岩戸の舞”で岩戸を開けないうちは中止出来ないしきたりがある。
(栃木県教委版「栃木県の民俗芸能Ⅰ」より引用)


次回に続く。
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  1. 2006/04/07(金) 22:15:26|
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