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風のつぶやき! 南摩ダム・日帰り温泉などの情報

風の吹くまま、気の向くままに!

2005年。初夏・南摩。

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2005年 初夏・南摩
新緑の季節が終わり、南摩川沿いには田植えの終わった田が幾面も広がって周りの山々、林や森は次第に緑の色を濃くしている。苗の生え揃った田んぼには映し出された上南摩の山々を初夏の風が微かに揺らしていた。
ダムサイト予定地の下流に開ける室瀬の里は、いつもと変わらずに深緑の中にひっそりと溶け込んでいる。
南摩川を挟み込む山が最も狭いダムサイト予定地から上梶又へと向かった。
途中、水資源開発機構の管理下に置かれているためか、かつて住民の宅地であった入り口にはすべてロープが張られ、この区域内への無断入山や不法投棄を禁ずる立て札が所々に立てられていた。
この地に残された建造物は公民館、消防小屋、火の見櫓、廃校となった梶又小学校の旧校舎、浅間神社、そして開発機構の仮設の工事事務所、それ以外の建物はすべて撤去されてしまった。
村を貫く一本の道の脇には、民家のコンクリートの基礎だけが夏草に埋もれて無残な光景を曝している。
しかし、この地で只一軒だけ廃屋となった茅屋が撤去されずに残っている。
先日、この茅屋の前を通ると南摩川に掛かった橋の入口に張られた鎖が外され、茅屋の玄関や雨戸が開け放たれていた。
玄関の土間や家の中は箒で掃き清められ、茅屋の庭を覆っていた夏草も綺麗に刈り取られている。
誰もいない山の中に只一軒だけ取り残され打ち捨てられたように建っていた茅屋が何故か異様に感じられた。
私は車を降りて聞いてみた。
近々解体撤去するので、家の中に安置された仏様を新居に移すためにこれからお寺様をお迎えして供養するのだそうだ。
茅屋の薄暗い座敷の入口に整然と揃えて置かれた3足の真新しいスリッパが何故か印象的であった。その様は、これまで数十年と続いた南摩ダム水没地区住民のすべての苦悩がこれで終わったのだと3足のスリッパが諭している様にも感じられた。
そして間もなく、この茅屋の撤去と共にこの地区のかけがえのない長い歴史に終止符が打たれるのであろう。
(五月の風・TOP写真と南摩「最後の来客」より)

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追記。
それから数日経ってこの地を訪れた。しかし、この茅屋は解体されることなく悠然と建っていた。
だが、南摩手記にも書いてあるこの茅屋の前の南摩川を隔て小高く盛られた塚(墓地)は掘り返され完全に撤去されてしまっていた。
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  1. 2005/06/15(水) 00:00:00|
  2. 南摩
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